#6 写真で食っていきたい 後編

#4 写真で食っていきたい 前編
#5 写真で食っていきたい 中編

と綴ってきました私がスポーツ写真家としての独立を決断するまでの話。

今回で締めくくり。締めくくれるのか。。。笑

お付き合いください。

前回までの話、岐阜スゥープスというプロバスケットボールチームの試合を観戦しながら友人のおすすめ選手を撮影した。
手前味噌ながらカメラでいろんな現場を経験しつつ、ある程度のものは撮れる、といった考えの野郎だった私ですが。。。

“撮れない”

撮れなかったことが火をつけたくれたといいますか、完全にバスケの撮影、およびスポーツ撮影の沼に沈み込んでいくわけです。

そんな熱が生まれたタイミングでしたが5人制のBリーグはすぐシーズンを終えてしまいました。

しかしそれとは入れ替わりで3人制バスケのプロリーグが始まる、そして岐阜スゥープスにも在籍していた選手も出るらしい、という情報を聞きつけ3人制のバスケも事あるごとに全国行脚し毎週末、重ならないかぎり全ての開催地に足を運びました。

3人制バスケプロリーグ 3×3.EXE PREMIER

このリーグの2019年シーズン、追いまくりました。

そこでまたスポーツ写真の一瞬の儚さ、その一瞬に残る熱量。その魅力に引き込まれていったわけです。

結果2019年は5人制、3人制、その他バスケのイベントやら含め
1日に最大3会場とかのトリプルヘッダーも物理的に可能であれば訪れ、
気がつけば100会場を超える経験を積み、都度都度自分に何かしらの課題やテーマを掲げて、ある意味撮影の記録というか自分なりの実験の結果を記録としてInstagramに投稿していました。

日に日に、
これでメシを食っていけるようになれないかな。どうやったらなれるのかな。
そんなことを考える日々が続きましたが、この後のキッカケを得て
食っていけるかなぁ? より 食っていけばいい! に思考がひっくり返ました。

ある人との出会いと、その先で得た経験。それを経て独立を決断するわけです。

その人物とは バスケットボールMC ”バスケットマン桜井” こと 3×3.EXE PREMIERのリーグでMCを務める
サクライヤスタカ氏

リーグのメインMCもしつつ、普段はバスケットボールボールレンタルコート D-NUGGETS(ディーナゲッツ) でバスケができる環境を管理され自らもイベントを企画、運営さへているお方。

サクライ ヤスタカ (MCバスケットマン桜井)

D-NUGGETSグループの1号店、愛知県一宮市のお店を運営されている、そんな方との出会い。

このD-NUGGETSのフランチャイズ店、岐阜羽島店が誕生し、知人の繋がりからオーナーと知り合い、こちらで開催される大会の撮影を依頼いただくこともあり、そんな大会の撮影終わり、サクライ氏が現場に現れた。

正直、3人制の会場のど真ん中でマイク片手に喋っている方だ、カッコ良すぎてそんなに喋れるわけもない。
しかし、自販機の前でドリンク片手に会話する中

『来週、3人制のクラブチーム世界一を決める大会が宇都宮であって、俺そこでもMCするんだ。時間あったらおいでよ』

すごすぎん?

いきなりのお誘いでわけがわからんかったが、世界一を決める大会って、すごいよね。
ということで、週末の予定を全部蹴散らし。

行きました。

FIBA 3×3 World Tour FINAL @ UTSUNOMIYA

2019.11-2-3

現場に到着するなり サクライ氏はコートの上で、世界最高を決める舞台のど真ん中で喋ってるわけですよ。

シビれました。

合間を見つけて話しかけると。『マジで来たんすか!すごっ!』と笑ってました。

現場で目の当たりにした世界最高峰を決める熱戦、国内で見てきたそれたちとは一線を画すほどの技術、フィジカル。
その現場で撮影した写真たち、その他もあるんですが、会場でアナウンスされていた SNS投稿の際には #FIBA3x3 や 3x3WT (world tour)をつけて投稿してくれ、といったところからDAY 1を終えて記録をSNSに投稿していたわけです。

するとですね、その晩 ある選手と、あるカメラマンの方から突然DMが来たんです。

1通目は選手から。
『君のInstagramを見た!素晴らしい。明日我々のチームの応援と撮影をお願いできないか?』

と。笑

うそやん。(後に聞くとチームは現地調達でカメラマンを探していたとのこと。)
しかしさすがにびっくりするやん。

そこからDAY.2はそのチームに着いて回って、試合はコート脇、メインで撮ってる方たちを邪魔しないように撮影して彼らに納品した。 以降、君は日本人か?東京オリンピックはカメラマンとして仕事しているか?など、めちゃくちゃDMがきて、以降いろんな話に発展することになる。

2通目はカメラマンさんから
『わたしはFIBAでバスケの撮影をしている。君はどこの国で活動しているんだい?是非一度会ってみたい。カメラはキャノン?ニコンを使っているのか?一度メールに連絡が欲しい』

、、、怪しすぎるやん。笑

でも、アカウントを見ると素晴らしい写真たち、そして彼の略歴を見ると国営メディアの撮影もされているような方だった。肩書きに惹かれて返信した。笑

またこのあたりの話は別の機会に。

というような流れもあり、最初は撮れなかったバスケットボールも、現場第一主義の精神て!そして根っからのオタク気質も合間ってカメラの機能や光を取り込む道具としての仕組みを知識レベルと現場で得た感覚を体に叩き込められた時間になったと自分でも思っている。

これ、ただの自論ですが。

長くやっていれば良いわけではない。
たとえ短くても中身を濃くすればいい。
しかし長く中身を濃く過ごしている人にはなかなか勝ることができない。
なぜならそれは努力できる才能に加えて更なる一種の才能が織り混ざって作品が生まれている。

みたいなことを 撮影の経験や多くの作品を目にしたりする現場を経て感じるようになった。

とにかく名前や顔を売りたいわけでもなく。
ただただ作品を評価されたい。
そして その作品で競技の魅力を発信できる一枚を撮りたい。

話が少し飛んでしまったが、このワールドツアーの撮影を経て、サクライ氏が私の写真を見てくれるようになった。

そして、後に『来シーズン 彼を3×3.EXE PREMIERのリーグのカメラマンとして迎え入れられないか』といった投げかけをリーグにしてくれた。
サクライ氏との出会い。ホンモノの人に作品を評価される経験と喜び、そしてチャレンジする機会までも与えてもらった。

2020年、まもなく開幕する3×3.EXE PREMIERのシーズン。
その期待に応えるために、そして自身が追い求める一枚を残したい、それを成そうと思ったとき、今よりほんの少しでも、とになく時間が欲しい。

その結果が思い切った独立を決断する最大のキッカケとと決断のキッカケになったのである。

ここまで3部作で私の馴れ初めを綴ってきましたが、結局のところ、私の心を動かしたのは多くの出会いと、そこにチャレンジしたい、という情熱を注げるものに出会えたから。
それだけのことであり、今現在もまだまだ歩み出したばかりですが、自分が選んだ道、選択した世界でこれからもより多くの経験を積み、多くの人にその競技や選手たち、それを取り巻く全ての人たちを含めた魅力を発信できる1枚を追い求めて活動していきたい。

長らくお付き合いいただきましてありがとうございました。

普段は作品を通じて知っていただく機会が多いかもしれませんが、このような場を設けて、更に多くの方と出会い、語らえる機会があることを願って。

今後もボチボチ更新していきます。

では、また次回。

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